前回、金属代替や軽量化、コストダウンを武器に市場を広げるプラスチック成形製品の主要技術である「フィルムインサート成形(FIM/IMD: Film Insert Molding / In-Mold Decoration)」のついてご説明致しました。
今回は、このフィルムインサート成形(FIM/IMD)の3つの工程の最初の工程「@スクリーン印刷」について解説致します。
スクリーン印刷とは、孔版印刷の一種で、「枠に合成繊維・ステンレス線などで出来た紗を張り、 画線部以外はゼラチン・樹脂などを使用して目を潰し、露出している織目を 通してインキを押し出し、印刷する技法」の総称とされています。
FIM/IMDでは、後にフォーミング・インジェクション工程で加工されるフィルムに印刷されることになります。また、必要に応じてバインダー等も使用します。
⇒膜厚を大きくとれます。( 3µm〜400µm)・・・→塗膜耐性を得やすくなります。
⇒被印刷体の形状,大きさ、強度に自由度が大きく、立体物にも印刷可能です。
FIM/IMDで使用される成形用インキには、一液型ISX−HF、二液型のIPX−HFとINQ−HF、また、二液型インキ用バインダーIMB−HFがあります。
なお、上記のFIM/IMD用のインキには、成形に必要な機能の他に様々な機能を付与することが可能です。この機能の追加性により、FIM/IMDの工法では、塗装やメッキでは実現できない様々な付加価値を製品に追加できるようになります。
以下はその機能の一部です。
IR透過機能の例(写真は可視光線の透過機能を使った例です。)
蓄光機能の例(写真は、N夜光蓄光機能の例です。)
次回は、フォーミング工程についてインキのご紹介と合わせてご説明致します。
それでは、FIM/IMDのシリーズ企画の第3号をご期待ください。
なお、当講座でご紹介した成形用インキの詳細情報はこちらです。
ISX−HF | 一液タイプ | 高い伸び性 ポットライフが無く作業性が良好 |
IPX−HF | 二液タイプ | 耐流れ性、高塗膜耐性、成形時耐熱性 |
INQ−HF | 二液タイプ | フォーミング時の柔軟性、高塗膜耐性 |
IMB−HF006 IMB−HF009 |
一液タイプ | バインダーインキ(成形樹脂とインキ塗膜の接着層) (IPX−HF,INQ−HFのご使用時にお使いください。) |
FIM/IMD技術講座の全講座はこちらです。
第1回:FIM/IMDのメリットと3つの工程
第2回:スクリーン印刷工程のご説明(本号)
第3回:フォーミング工程のご説明
最終回:インジェクション工程のご説明
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