PP樹脂(ポリプロピレン)は、樹脂の中でも比重が軽く、加工性に優れている上に高い強度を持つことから、様々な工業製品に使用されています。なお、工業製品に使用される際は、表面の加飾に塩ビ・ステッカーが多く用いられています。
ただ、塩ビ・ステッカーによる加飾は、深い凹部への加飾が困難であることやリサイクル時に剥離が必要になるなど、最善の加飾法とは言えませんでした。しかし、技術的な問題からフィルムインサート成形(FIM)など、他の加飾法が難しい状況でした。
そのような中、今回PP加飾フィルムとPP樹脂を強固に接着するIMB-HF007 PPバインダーが 新しく開発されたことで、成形インキINQ-HFを使用したPP樹脂成形製品のフィルムインサート成形(FIM)が可能となりました。
その結果、二輪・四輪自動車部品や家電等、軽量化に加えてデザイン性とリサイクル性が求められる部材に積極的にPP樹脂を使用することができます。
PP樹脂シートとPP樹脂成形物によるフィルムインサート成形(FIM)の工程は、以下の通りです。
1) スクリーン印刷![]() |
@バインダー(IMB-HF007)と A加飾用インキ(INQ-HFインキ)を B加飾フィルム(PP樹脂)にスクリーン印刷。 |
2) フォーミング![]() |
印刷された加飾フィルムをフォーミング。 なお、加飾フィルム側が表面になり、 印刷層が裏面になります。 |
3) インジェクション![]() |
フォーミングされた加飾フィルムに C成形樹脂(PP樹脂)を流し込んで インジェクション。 |
以下の通り、塩ビ・ステッカーによる加飾が抱える課題の多くが、フィルムインサート成形(FIM)により改善されています。
項目 | 塩ビ・ステッカー | フィルムインサート成形(FIM) |
デザイン | 深堀り部(凹部)にデザインが困難 | 深堀り部(凹部)にもデザインが可能 |
貼り物感がある | 貼り物感がない | |
フィルムに表から印刷するので、デザインの自由度が低い | フィルムに裏から印刷するので、デザインの自由度が高い | |
工程 | 貼る技術が必要である | 貼る技術が不要である |
リサイクル | 塩ビ・ステッカーとPP樹脂成形物では、材質が違うために分離作業が必要である | 加飾フィルムと成形物が同じPP樹脂のため分離が不要である |
美しい木目調のPP樹脂フィルムをPP樹脂成形物に使用した事例です。
よりカラフルな加飾をしたPP樹脂フィルムをPP樹脂の皿と一体成形した事例です。
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